自転車

SDA王滝2022 準備編

2022年11月21日

日本最大のMTBクロスカントリーレース!準備編

2020年、2021年、2022年春とずっと開催が延期になっていた
セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝が3年振りに開催されました!

私は2020年にその存在を知って以来、数々の楽しそうなレースのお話を耳にしてずっと気になっていたのですが
この度ようやく参加することができたので、その様子をお届けしたいと思います。
相当にタフなレースになるため、準備も入念に行いました。
当記事では、準備した機材、補給食、練習などについて紹介します。

機材の準備&検証

車体

GRAND CANYON CF SLX(ハードテールのクロカンバイク)です。ドロッパーポスト付いています。

GRAND CANYON CF SLX

ハンドルに付いているツノは、グランジのパームレストバーエンドです。カッコ悪いのですが、MTBでありながらロードと同じ拳をタテにするポジションが使え、ブレーキとシフターも一応走行しながら使えるので、疲労の分散にかなり役立っています。手のひらを載せる部分がフラットなのがミソですが、最近売り切れていますね。

ギア比

ギア構成:フロント26/39、リア11-36 最小ギア比0.72、最大ギア比3.55
フロントダブルです。フロントシングルなら、フロント36のリア10-51(ギア比0.71~3.60)とだいたい同じくらいですね。
レース後の感想としては、正直レース後半はもう少し軽いギアが欲しかった所ですが
あったらあったで楽をし過ぎて遅くなる気もするので、これくらいのギア比で走れるように精進します。。
下り坂でも気が狂ったように踏むので最大ギアも使い切っています。(足りない、ということは無かったです)

タイヤ関連

タイヤ:MAXISS Crossmark Ⅱ
チューブ:ミシュラン Michelin ラテックスチューブ 26''x1.90-2.20

タイヤの選択が最重要と言われる王滝ですが、小石が多く、サイドカットしがちなジープロードに最適ということでお勧め頂いた
MAXISS Crossmark Ⅱにしました。サイドカットにも中々強いそうです。

上記のCrossmark2を履く前は、軽さ重視のRENEGADEを履いていましたが、
比較すると、林道のガレた登りがずいぶんとグリップして登りやすくなりました。
タイヤが空転してやむなく押し歩きしていたところを乗車で行けるので、タイム面のアドバンテージがかなりあります。
半面、舗装路では圧倒的にRENEGADEの方が楽でしたが、まぁMTBで舗装路が楽でも仕方が無いですよね。

S-WORKS RENEGADE
S-WORKS RENEGADE
そのタイヤじゃパンクしに行くようなもんだと言われました。。。

チューブは、当時チューブレス未体験で抵抗があったので、パンクに強いと言われるラテックスチューブをチョイスしました。
ラテックスチューブは最近人気が無いようで、細々と26インチ用のモノだけがラインナップされていますが
これを無理くり29erにぶち込みました。
慣れれば楽勝で収まるらしいのですが、26インチと29インチじゃ外周が25センチ近く違うので
ブリンブリンと盛大にリムから飛び出してくるので、不器用な私は嵌めるのにかなり難儀しました。
苦戦すること30分、家にクランプがあることを思い出したので、クランプを使いつつ何とか装着できました。

チューブの1本あたりの重さは115gなので、シーラント100ccとどっこいどっこいですね。
シーラントを洗い流すのが大変なので、タイヤを頻繁に替えたい人の選択肢としてはアリかと思います。
ラテックスチューブは空気圧が減りやすいことがデメリットとして上げられますが、
ロードバイクと異なって空気量が多いため、1日走ったくらいでは気になるほどの空気圧低下は見られません。

結論としてラテックスチューブでもパンクはしなかったので、悪い選択肢ではありませんでした。(空気圧は高めの1.7bar)
しかし、レース当日の周りのライダーの凄まじいパンク率を目の当たりにすると、
やはりシーラントを入れてチューブレスレディ運用にした方が安心度が高い事が分かったので、
次回はチューブレスレディで行くつもりです。

補給食の準備&検証

ハイドレーション+ソフトフラスク+謎のボトル

自作ジェル

ソフトフラスクは非常に落としがちなので、
ハイドレーションバッグのフロントポケットに入れ、長いストローを付けてそのまま飲むスタイルを採用しました。


中身はこんな感じで、鍋に全ての材料を入れて加熱→溶かす→冷ます で
「ボクが考えたさいきょうのほきゅうしょく」があっという間に完成します。
カロリーはだいたい600kcalですね。ジェルの補給食5~6袋分相当です。
以下の材料の中でも、ビタミンB入りのクエン酸サプリやVAAMを入れると、だいぶ市販品のジェルの味に近づきます。

粉飴150g
パラチノース25g
ヴァーム アスリートパウダー 1袋
カフェインの錠剤 1錠
クエン酸のサプリ 5gくらい
塩 2gくらい
水200ccくらい

さらに、足つり対策に「2RUN」も入れたかったのですが、手持ちが無かったので
会場で売っていたウルトラミネラルタブレット(水500ccに2粒溶かして飲むもの)を
面倒なのでそのままポーンと口に放り込んだら、「しょっぱい」&「超シュワシュワ」で人知れずスタート前に悶絶していました。

用法・用量は正しく守りましょう。

ちなみに、以前粉飴を全量パラチノースに置換してみたのですが、大変なことになりました。
温度が冷えるとジェルが固まってニベアのようになり、全く飲めなくなりました…!

自作ジェル 失敗
補給食で補給できない悲劇!!

パラチノースの方が粉飴より吸収が穏やかであるため、持久系のスポーツには向いているようなのですが
上に挙げた材料のどれかと相性が悪いみたいです。なので、粉飴を多めに使っています。

柿の種スペシャル

上記のフラスクだと600kcalなので、レース時間を7時間と見積もると少々心もとないですね。
このあたりのページを見ると、約2000kcalも必要だとか。。。

私はそんなにレース中に食えないので、軽くて高カロリーな以下のようなおやつを準備します。
・柿の種
・ニンニクとバターが効いたおつまみ系のスナック菓子
・チョコクリスピー
・カカオニブ
柿の種は、2022年の日本一過酷と言われる山岳トレイルランニングレース「トランス・ジャパンアルプス・レース(TJAR)」で圧倒的な記録で優勝した土井選手も「主食は柿の種」と言っているくらいなので、エンデュランス競技の補給食としては優秀です。(ピーナッツは無いほうが消化に良いですね)

適当にフードミキサーで粉砕して、ワンタッチのクリアボトルに入れます。

柿の種粉砕
「お年寄りが公園でハトに向かってバラ撒いているやつ」感が出てきた・・・
トリのエサって散々バカにされたけど、運転しながら片手で柿の種が食えるぞ!!!!


サイクルボトルケージに入るクリアボトルなんて需要があるのか分かりませんが、以下の商品が直径的にぴったりでした。

で、実際にこれでレースを走った感想なんですが、ゼエハァゼエハァしながら片手で取り出し、パサっと口に放り込むことで、高い確率で

「コフゥッ!!!」

ってなりました。お陰であまり食えなかったです。喉が渇くし。
次回はジェル多めが良いかなぁ。。。

ハイドレーションバッグ・保冷アイディア

3L入るという触れ込みで上記のハイドレーション、お値段も¥1700程度と破格のため購入してみました。
最初はニオイがきつかったですが、商品説明に「温かい中性洗剤で全体を徹底的に洗ってください。より効果的には、1/4ドライソーダと3/4水を混ぜた溶液を30秒間でよく振ってから、1/4レモンジュースを入れて10秒間で振って、蓋を開けて、ガスを排出してください。このように3回繰り返して、なるべくガスを排出してから、20分間で浸します。それから、また温かい水で3回洗ってください。」って書いてあるくらいなので、承知の上でした。
なので、重曹を入れて軽くレンジでチン、クエン酸を入れてレンジでチン、洗剤で洗うを何回か繰り返したらニオイは完全に抜けました。

機能的には全く問題ないですが、3Lは水入りませんでした。2.5Lくらいしか入りません。
レース当日は満タンの2.5Lまで入れましたが、若干余ったので2Lくらいで十分です。

また、いくらレース中とは言え、少しでも冷たい水が飲みたいというのが心情です。
プラティパスの専用保冷バッグも持っていたのですが、
・立派過ぎて重い
・上記の3Lバッグが収まらない
・ハイドレーションバッグにも入らない
とオーバースペックで困っていたので、何か良い保冷バッグが無いか探しました。

↑ 立派過ぎて使えないやつ
↓ ということで見つけました!
3枚入りで300円もしないですし、何よりそのままいい感じにハイドレーションバッグが収まります。
しかも保冷性能もこの程度で十分でした。
むしろ、ハイドレーションバッグをあまりカッチカチに凍らせてしまうと、ライド中に氷だけ残って飲みきれないことが良くありました。半解凍くらいで入れておくと半日くらい冷えた状態をキープしてくれます。夏場のライド時なんかは、背中にずっと氷嚢が当たっているような感じでクールダウンも出来て、かなり良いアイテムでした。

王滝に向けた練習(遊び?)

6月までは富士ヒルに向けたローラー練習が多めでしたが
夏になると山が楽しい季節になるので、実走が多めでローラーは割とさぼり気味でした。

御荷鉾スーパー林道(2022年8月7日)

御荷鉾スーパー林道は、いまや貴重なMTBやオートバイで全線走れる林道です。
片道60kmで、そのうちダートは20kmくらいです。2022年に久しぶりに開通したので、走れるうちに走ってきました。

1回目 8月7日 ソロツーリング

STRAVAログ


道の駅上州おこしスタートからの全線往復です。
距離128km、獲得標高3250m、走行時間8時間51分と王滝越えのハードさでした笑
平坦な場所はほぼないので、ヒルクライム64kmとダウンヒル64kmですね。(うち未舗装路40km)
ダートは少々短いですが、路面の雰囲気(軽トラで走るのも不可能では無いけど大変だろうなぁ…くらいの荒れ具合)などは割と似通っている印象です。

御荷鉾スーパー林道
御荷鉾スーパー林道の路面はこんな感じ


自販機や水道水が飲める場所は無いので、全ての補給を持ち運ぶ必要があります。
終盤の大仁田ダムにてトイレはありますが、正直水は飲みたくないレベルです笑

ルート確認や写真撮影の小休止はありましたが、大きな休憩は取らず、10時間ほぼ走りっぱなしでした。
補給食はトレイルミックスを参考にしてナッツ類を多めにしたのですが、胃腸への負担が大きいのか
後半戦で謎の眠気に襲われて大変でした。

オートバイが通れる貴重な林道でもあるので、オートバイの通行が割と多いです。
この日は、アメリカンと中型ネイキッドをプルプルしながら運転している女子ライダー2名組を見かけました。
まるで昔の私を見るようで懐かしい気持ちになりました。

ハーレーで林道
昔の私 ハーレーで謎の林道に突撃
剣山スーパー林道
四国の剣山スーパー林道(87,7km)に無謀な突撃&走破したことも… おウチに帰りたい(´;ω;`)

「アメリカン大変ですけど頑張ってくださいね!」と声をかけて励ましておきました。
「自転車も頑張って下さい!」と私も逆に励まされました笑

御荷鉾スーパー林道(2022年8月15日)

2回目 8月15日 マスツーリング
流石に大所帯でフルコースは厳しいので、道の駅万葉の里スタートです。

STRAVAログ


ダートの入口までのヒルクライムが初回の22kmから10kmに半分以下に短縮です。※ただし斜度は2倍(*‘∀‘)
県道46号 富岡神流線 462→塩沢峠は群馬が誇る激坂ですが、これが単なる前菜扱いになります。
MTBのギア比なので、ローギアに入れてのんびり登ればどうという事は無いんですが
何故か皆さんニコニコしながら4倍くらいで登り始めるので大変です。

荒れた路面なのでメカトラも増えます。
パンク修理をしようとして、アクスルシャフトを時計回りに鬼締めして
「緩まない!!」と林道の中心で叫ぶ方が現れるなど、色々なイベントが発生しました。

御荷鉾スーパー林道展望台
御荷鉾スーパー林道展望台

上の展望台は、「スーパー林道展望台 400m」の看板を登った先にあります。
勾配12%ですが、スーパー林道内はあまりスコーンと抜けた眺望が少ないので、オススメの場所です。

林道を抜けて舗装路に帰ってきた頃にはだいぶ日も傾いてきたため
既に林道クライムでヘロヘロにもかかわらず
アヘ顔になりながら鬼踏み1分ローテを回して19.5kmをわずか30分で戻ってきました。

STRAVAログ
下り基調とは言え、全員MTBでこの勢いよ…

ソロより皆さんで走るとやっぱり楽しいですね!

富士3Peaks(2022年8月27日)

フジイチに加えて、富士山の登山口のうち4つを1日で回るという、全行程200km越、獲得標高5000mオーバーのファンキーなツーリング。
内訳は、あざみライン(須走口)、富士公園太郎坊線(御殿場口)、スカイライン(富士宮口)、スバルライン(吉田口)の4つです。

STRAVAログ

王滝本番の2週間前から1週間自転車に乗れないため、「走りだめでもしておくか…」と軽い気持ちで挑戦。
折角なので「無補給単独で富士3Peaks達成」をしようと思って水3Lと上記補給食を全て持っていきましたが、
100kmくらいで水を飲みつくしてしまい、無補給アタックはそこで断念。

うん、楽しめるのはスカイラインまでかなぁ笑
富士スカイラインまで登った後、標高2200mから500mまで一気に下り、
そのあと朝霧高原あたりを永遠と登るのですが、これがまた600mくらい登り返しの隠れヒルクライムで心が折れます!

最後のスバルラインはゾンビのようになって2時間掛けて登りました。
平均ワット数は131w、旧型のノートパソコンなら落ちてしまうくらいのパワーしか出ません笑

所要時間はAM6時出発のPM7時ゴールの13時間くらい。
いやはやしんどかった。
このライドでパワーアップすれば良かったんですが、体への負荷が大きすぎたのか、
すっかり調子を落としてしまったのであります。。。

2022.9.18 レース本番

と、言うわけで準備だけで膨大な内容になってしまいました。
本番の様子はSDA王滝2022 参戦レポートからご覧ください!

(参考)書いた人のレース前のフィジカル情報

FTP:3.5w/kgくらい (8月初頭くらいまで4.0w/kgくらいあったけど、調子が落ちた)

その他、2022年主要な記録
ヤビツ峠:名古木から39分台
富士ヒル:1時間19分台
都民の森:58分台
東京ヒルクライム奥多摩ステージ:37分台
Alpe du Zwift:51分台

-自転車