はじめに キャンプツーリングでの積載方法でお悩みの方へ
夫婦で日本全国バイクキャンプツーリングを楽しんでいます。
毎年のロングツーリングで得られたパッキング情報をお伝えします。
キャンプをしながらの1週間以上のロングツーリングをする場合などはかなりの大荷物になるでしょう。
ミニマムな荷物で旅を楽しむ方も多いですが、我々夫婦はいつも民族大移動のような大荷物です。
荷物を中々減らせない方向けの大容量パッキングと、最後には積載のコツを紹介します。
今回はサイドバッグやシートバッグ編です。
我が家では原付二種(GROM,C125)やセロー、DR650SEを主にキャンプツーリングに使っていますが
汎用のバッグ類なので、工夫をすれば色んなバイクに応用が効きます!
トップケースの記事はこちら。
サイドケース/サイドバッグ/パニアケースの違いについて
かつてはフルパニアのバイクに憧れて純正のサイドのパニアケースなどよく装着していましたが、
ライディングを楽しむという点からは正直言ってお勧めしません。
見た目がカッコいいのはもちろんあるのですが、パニアケースはとにかく幅を取りますし、バイクが重いです。
特に純正パニアケース類は、謎の肉厚さで重くて容量も少なく、幅ばかりとるので、見た目のカッコよさ以外に良いこと無いです。
(そんなに頑丈にしてどうするのかと… 見た目のカッコよさが一番重要!という意見も分かりますけどね。)
フルパニアで林道にいってもおっかなびっくり走るだけになってしまい、あまり楽しめません。
倒してしまったら、一人ではパニアを全部外さないと起こせません。もちろん、すり抜けもかなり気を使うようになります。
ハンドル幅を超えるようなフルパニアを装着した場合は、
一般道ではほぼすり抜けは不可能になり、車と一緒に渋滞にハマることになります。
この問題を解決するのがソフトなサイドバッグです。
ソフトなサイドバッグは防水性が心配ですが、後述のバッグは一切浸水もせずに
軽量で大容量なので、非常にお勧めです。圧倒的に軽いので、ライディングが楽しくなります。
昔ながらのナイロンのサイドバッグだと、雨天時にレインカバーをしても無駄で、
完全に浸水、というか水没します。
クッカーとか雨具とか、濡れても良いものしか入れられないので、やめた方がいいです。
しっかりと防水が考慮されたものを選びましょう。
車体への固定も、グラつかずにしっかりとベルクロで固定できるのかも重要なポイントです。
特にバッグの下側と車体の固定を見落としがちですが、ここがしっかりしていないと
段差やカーブの度にバッグがユサユサ動いてかなり不快になります。
私が使っているお勧めのサイドバッグ NELSON RIGG:ネルソンリグ サドルバッグ
今使ているイチオシのサドルバッグは、「NELSON RIGG:ネルソンリグ サドルバッグ ADV SE3050 [3501-1217]」です。
形状からすると、主にアドベンチャーバイクやオフロード車にお勧めですが、
マフラー干渉の問題がクリアできればどんな車種にもお勧めです。
「nelson rigg saddlebags」で検索すると海外のAmazonなどが引っ掛かり、
色々なレビュー情報が見られます。
私はDR650Rのキャリアに装着していますが、ぴったりです。
画像はありませんが、サイドバッグサポートがあればセローやGROMにも装着は可能です。
車体側との擦れを防止するパッドがあり、また底板もかなりしっかりしたものが付いているので型崩れもせず、
きちんと考えられて作られている感じです。
容量もまぁまぁ大きいです。
床のサイズが2m*2mの2~3人用のドームテント(仕舞寸法Φ18cm×48cm)も、ちょっと斜めにすれば入ります。
蓋は3回くるくる回して閉めますが、荷物が多いときは2回でもいけます。
完全防水なので雨の不安が無いです。
布製のサイドバッグと異なり、いちいちカバーをせずとも大丈夫です。
車体側への固定はベルクロが片側に4つずつあるので、
サドルバッグサポートが装着済みのバイクであれば
かなりしっかり固定でき、荷物がブレる事もないので運転しやすいです。
欠点は、積載物へのアクセスがちょっと面倒なことですね。
くるくる巻いて、ベルト4か所を引っ掛けます。
1回1回の手間は大したことないですが、何度もやっているとチャックに比べると面倒です。
(これが防水性能の引き換えなので、諦めはつきます)
頻繁に取り出すものよりは、キャンプ場や宿泊先だけで取り出すものを収納するのがお勧めです。
欠点は、そのしっかりと取り付ける事が出来ることの裏返しなのですが
サイドバッグの取り付け/取り外しが面倒な事ですね。
軽いのでそのまま付けっぱなしにしている事も多いです。
お勧めのシートバッグ類
モンベル ドライコンテナチューブM
昔からあるPVCバッグです。かれこれ10年以上は使っていますが、
シンプルな構造の分、信頼性は抜群です。生地も厚く、浸水や破れはありません。
Mサイズの場合、これ一つでキャンプ道具を全て収めようとすると少し小さいです。
ほかにトップケースやサイドバッグやあるが、
荷物が収まりきらないときにタンデムシートに括り付けるような使い方がメインです。
また、荷物の取り出しにはかなり難点があります。
バイクとバッグの固定を外す
↓
バッグを下ろす
↓
バッグを空けて荷物にアクセス
↓
バッグを載せる
↓
バイクとバッグを固定する
というステップを踏む必要があります。
バイクに積んだまま荷物を取り出すことも出来なくはないですが、
固定のロープなどでバッグを縛っているので荷物がうまく取り出せなかったり、
バッグの口をキチンと巻けなかったりします。
なので、 頻繁に取り出すものよりは、キャンプ場や宿泊先だけで取り出すものを収納するのがお勧めです。
多機能キャリアバッグ ショルダーストラップ付き
モンベルのドライコンテナMの使い勝手がイマイチという事もあり、追加購入しました。
40Lサイズを購入しましたが、40L以上入るイメージです。
固定ベルトも4本付属しており、あらかじめ車体にベルトをセットしておけば、
バックルでカチッとするだけで車体との取り外しができますし、
車体から取り外さなくても内容物へのアクセスが可能です。
テントやポールなどの長尺物の収納に便利です。
また、タンデムシートに配置するという前提であれば、車体の中心に近い場所になりますので
ダッチオーブンやスキレット、鍛造ペグやハンマーといった重量物の積載にも向いています。
600mmのポールまで入ります。(そんなに長いの持っていくなよという話ですが…)
防水性能もバッチリで、便利に使えます。
背中側に柔らかいものを入れるように気を付ければ、背もたれにもなります笑
コールマン(Coleman) アウトドアドライバッグ 110L
とにかくデカい!の一言です。生地は薄めで、強度的には少し不安がありますが、
丁寧に扱えば問題なく長いこと使えます。
サイズからして、タンデムシート部に横に積むことは無理です。
タンデムシート部とリアキャリアの両方を使って、車体に対して縦に取り付けるようなイメージになります。
それでも車体からはみ出てしまう場合は、ダイソーなどの100均で売っている
ワイヤーネットなどをタイラップなどで車体に追加して置き場所の拡張をすると、積載が安定します。
(ワイヤーネットはあくまで補助なので、重さは掛からないようにバッグの中身はうまく調整してください)
GROMに満載する記事に詳細を記載しています。
バイクの車体が小さいのでタンデムシートにバッグ&トップケースの両方を取り付けるのが無理だけど、
積載を何とか増やしたい!という際に使えます。
トップケース自体もかなり重さがありますから、とにかく荷物はこのチューブに全部押し込むんだ!
という運用をすれば、全体としての荷物の軽量化も期待できます。使い勝手は悪いですが…。
荷締めベルトについて
今までは、以下のようなツーリングネットや、
以下のようなバンジーコードを使っていましたが、どうも固定力や使い勝手に欠く感じでした。
(ツーリングネットはとにかく小物が落ちるし、ヘタってノビノビになるのが早いです…)
そこで、荷締めで高評価なロックストラップを買ってみました!
ロックストラップ 小物用 Commuter ストレッチ ストラップ
ロックストラップ 大物用 MCストレッチストラップ
感想としては、
①ゴムの弾力によって高い固定力が持続される!
②車体側にストラップを一度取り付けてしまえば、荷物の積み下ろしの再セッティングが楽!
の2点が特徴で、いままでの固定方法には戻れなくなるくらいオススメです!
①ですが、やはり長距離の運転をしていると、次第に荷物の固定が緩くなってしまう事があると思います。
しかし、ロックストラップはゴムの弾性がある分、かなりきつく縛ることが可能です。
(あまりきつく縛りすぎるとゴムが伸びてしまいますが…それでもかなり丈夫なゴムです)
運転席の後ろで荷物がズレはじめて気になるストレスってありませんか?
このストレスから解放されるのはかなり大きいですよ。
②ですが、荷物を下ろしたときはロックストラップのオス/メスを直結&短絡させたうえで、
めいっぱいコードを縮めてしまえば、そのまま車体上に残しておけます。
例えば、キャンプ場ついた→荷物下ろした→温泉行こう!
なんて時に、コード類を全部取り外さなくてても良いわけです。
次の日に荷物を積むときも、取り付けたままのロックストラップを緩めるだけですぐに使えます。
(もちろん、余ったロックストラップは巻き込まないように束ねて軽く結んでおかないと危ないですよ)
長期間のツーリングの時は、荷造りも毎日の作業になります。
こういった作業のストレスも減らせるので、すごくオススメなグッズです。
バイクへの積載のコツ!!重いものは下に乗せろ!積載の高さは低く!!
ここまで色々な積載グッズを紹介しましたが、最後に大事な積載のコツをお伝えします。
バイクへの積載は、重心への影響を考える必要があります。
以下の三大原則に従って積載の計画をしましょう。
積載三大原則
☆重いものは下、または車体の中心寄り
☆軽くて嵩張るものは上、または車体の中心から遠い場所
☆全体的な積載の高さは低く
最も重いもの:サイドケース、またはリアシート
↓
軽いもの:トップケース
例えば、鍛造ペグやハンマー、コッヘルなどは下、着替えやマット類は上といった具合です。
この鉄則を守らないと、バイクの挙動が不安定になります。
特に、コーナリングの際にバイクが勝手に倒れこもうとする動きが強くなります。
例えるならば、タンデムで運転しているときに、
コーナーを曲がったときに後部座席にいる人が勝手に膝スリしはじめようとする
くらいの不安感を覚えることもあります!
上の画像みたいな積み方とか、ホームセンター箱2段重ねとか、ヤメましょう。
1泊2日でキャンプだけが目的なら良いかもですが、道中の運転が本当につまらなくなります。
重いものはサイドバッグや下のほうに積んで、車体が安定するようにしましょう。
高さは低く、低くです。荷物を高く積み上げる前にサイドバッグを検討し、上に積むのは最後の手段にしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?バイクへの荷物の積み方は十人十色、色んな個性が出ます。
色んな積み方をしてきましたが、荷物満載の我が家のロングツーリングでは以下のような形で荷物を積みます。
よく使うもの、雨具→トップケース
キャンプでしか使わないもので軽めのもの→シートバッグ(着替えとか、ポールなど長尺物)
キャンプでしか使わないもので重いもの→サイドバッグ (ペグ、テント、クッカーなど)
ご参考になれば幸いです。